製品コンプライアンスの確立
リスク緩和から競争優位性の獲得へ
製品の種別や販売地域を問わず、法規制の数、範囲、複雑性が急速に拡大しています。規制の内容も、衛生面や安全面から製品の環境への影響まで、あらゆる側面が対象となります。 このため、企業の収益性とブランド価値を守る上で、世界規模で増加するコンプライアンス要件に柔軟かつ効率的に対応する能力が、戦略上の重要課題として急速に顕在化しています。
2008 年の McKinsey の調査では、経営幹部の 51% が今後 5 年間における最も重要な 3 つの政治 / 社会問題の 1 つに「環境問題」を挙げており、この割合は 2006 年の結果から 20% も増加していることが明らかになっています*。これから企業各社には、プロジェクトの企画段階から、開発、資材調達、製造、流通、廃棄に至るまで、製品のライフサイクル全体を通じた法規制遵守の徹底が求められることになります。
SAP と SAP パートナーによるソフトウェアおよびサービスがあれば、製品コンプライアンスに関する体系的なアプローチを活用して、業務管理とコンプライアンスに必要な可視性を 1 つの包括的なグローバルコンプライアンスの枠組みにおいて実現できるようになります。 SAP のソリューションを活用することで、企業は収益性とブランド価値を守るとともに、以下の点を推進して、法令遵守、競合他社との差別化、事業継続性(サステナビリティー)を実現できるようになります。
- 環境・安全・衛生管理を開発プロセスの重要事項として組み込み、コンプライアンス要件への対応を徹底
- コンプライアンス管理機能をサプライチェーン、品質管理、製造のプロセスに組み込み、製品コンプライアンスのリスクを最小化
- コンプライアンスチェック機能を、販売、流通、サービス、リサイクル管理のプロセスに組み込み、製造時だけではない、製品ライフサイクル全体でのコンプライアンスを実現
製品コンプライアンスが組み込まれたソリューション
コンプライアンスに対応しながら開発業務を実施
適切なコンプライアンスプログラムを活用すると、製品開発のコアプロセスを開始したときから、製品、製造方法、化学物質などコンプライアンスに関するあらゆる側面について、360°の視野で包括的に把握することができます。 SAP が提供する堅牢なコンプライアンス管理ソリューションによって、コンプライアンスチェック、変更管理、顧客 / 規制機関への正確なレポート作成を実施できます。
製造工程の管理
メーカーでは、サプライヤーのコンプライアンス状況の監視、製品ラベリングの管理、安全資料、原材料から製品使用までのトレーサビリティー実現が必要になります。 SAP のコンプライアンス管理ソリューションは、SAP の製造 / 品質管理ソリューションにあらかじめ組み込まれているため、サプライヤー / 品質管理プロセスの一部としてコンプライアンスの監視や追跡を自動的に実行できます。
製品ライフサイクル全体でコンプライアンスを確立
SAP Business Suite が提供する強力なコンプライアンスチェックとリサイクル管理機能により、製品ライフサイクル全体で効率的にコンプライアンスを管理できます。 たとえば、販売部門は製品販売の際に貿易条例に違反していないことを、サービス部門は規定に準じたパーツを使って修理が行われていることを、財務部門は全製品と梱包材のリサイクル料金が正しく精算 / 報告されていることを、明確に証明できるようになります。
今や多くの企業が、コンプライアンスは製品開発だけを対象とした 1 度限りの作業ではないことを認識しています。 コンプライアンスは、製品に関するあらゆるプロセスに組み込む必要があるため、 全社規模の柔軟なアプローチが必要です。 SAP Business Suite は、環境・安全・衛生管理の基盤と、分析ツール、プロセス管理機能、レポート機能を提供します。 SAP のコンサルティングサービスおよびパートナー企業は、ソリューションの導入支援をはじめ、企業の収益を守り、製品とブランドに対する信頼性を構築し、コンプライアンスを競争優位性として活用するためのサポートを提供します。
*「McKinsey Quarterly, Addressing consumers concerns about climate change(マッキンゼー・クォータリー:気候変動に関する消費者の懸念に対処する)」Sheila M. J. Bonini、Greg Hintz、Lenny T. Mendonca共著、2008年3月